祝!アルバム「かがやき」 - 高木正勝
つらつら思い出し日記
<第一回>







11月19日発売のCDアルバム「かがやき」について書いてみようと思い立ったのですが、これがなかなか難しい…。

簡単に説明すると、2枚組のアルバムで、
一枚目は山奥の小さな村に引っ越してつくった曲たちが、二枚目はジブリを描いたドキュメンタリー映画「夢と狂気の王国」とNHKドラマ「恐竜せんせい」のサウンドトラックが入ってます、と、そういうことなのですが、、、


絵日記みたいに写真とコメントで、断片的に、ぱぱぱっと、アルバムが出来上がった「過程」を紹介できれば、なんとなく何かが伝わるのかなと。
そうしてみます。





2013年8月

山奥の小さな村に引っ越しました。

もっと田舎に、村で暮らしてみたいという憧れがあったのですが、なんだかんだと随分ながく(26年間、四半世紀以上)ひとところに住み続けてきました。

生まれた頃からずっと「ニュータウン」で暮らしてきた僕にとって、古く伝わる風習や祭り、人づきあい、田畑、自然と共に暮らすこと。
そんな色々が憧れだったのだと思います。

そういうものに触れたくて、いままで世界中を旅していたのだなと。

特に引っ越す半年前に訪れたエチオピアの存在は大きかったです。周りに広がる大自然から土をもらい家をつくり、木をもらい火を熾し、水をもらい血をつくり、風をもらい唄うたい、光る億と闇の億と交じり合う。






”育てなさい 火を熾しなさい 食べなさい 笑いなさい”

名も知らぬ村のおばあさんの家に招かれて、見つめられて、そう告げられたように思いました。


大げさですが、人生をやり直すような、そんな引っ越しになりました。


6歳の頃から住んでいた家(荷物を出した後の様子)。改築を繰り返して、家中真っ白。



スタジオというか、作業スペースの一角。ここも真っ白。







2013年8月

引っ越した当時は、植物でもりもり、もりもり。
湿気が100%、空気中の水がみえる。
持ってきた物たちが、あっという間にカビてゆく…。




スタジオにしようと機材を持ち込んだ離れ。
昔は蚕小屋で、みんなで集まって糸を紡いだり織りをしたり。


家の周りがジャングル状態。。。
好きなんですが、住んでみると光や風が届かなかったり。
この後、剪定してさっぱり。






ピアノも水気でびちょびちょ(大きな扇風機で乾かし中)。
弾いた鍵盤が戻らなかったり、、、とても弾ける状態ではなく。はてさて、どうしたものかとドキドキしてました。






2013年8月

夜は満点の星空、天の川も。
まあちゃん(マムシ)も出るので、気をつけないといけませんが…。











2013年8月

村のかっこいいおじいちゃん、かわいいおばあちゃんたち。

はじめて家を見に来たとき、わらわらわら、3人のおばあちゃんが集まってきた。
「ここはええとこよ〜」「うん、ええとこや〜」「ほれ、あんたも、ええとこやって言うとかな〜」

ああ、ここに住もう。住みたい。




すれ違うと「おはよ〜」「野菜持っていくか〜」
朝から窓をこんこんこん「お〜い、おるかい?」
お地蔵さんの前を通ると、「あっ、いまから診療所いってきます、あっ」とお地蔵さんに話しかける。

ああ、愛おしい。










集落きっての男たちが集まる炭焼き。
山に入っていけば、昔の炭焼き跡がそこここに見られます。
「いつか、わしらの唄をつくってくれ」











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